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交通事故での自営業者の休業損害

1 確定申告書から基礎収入額を考える

 

個人事業主の場合、休業損害の基礎収入の計算の基礎となる収入は売上総額ではなく、そこから必要経費を差し引いた所得になります。

原則として、個人事業主の所得については、交通事故の前年度の確定申告により証明します。

ただし、仕事によっては、年度によって収入が大きく変動する方の場合には注意が必要です。

こうした場合には、事故の前年度のみを参考に基礎収入を決めると不平等になってしまいますので、交通事故前の数年間の所得の平均額を参考とします。

また事業所得の中に、個人事業主以外の労務成果が含まれている場合には、事業主の寄与分のみが基礎収入となります。

なお,税金・家賃・減価償却費など、事業を継続する上で支出を余儀なくされる経費を固定費といいますが,固定費は、個人事業主が休業している間も、事業を継続する以上は支出せざるを得ません。

そこで、休業中無駄になった固定費について休業損害に含めて考える必要があります。
この点は、会社の具体的状況により、請求すべき固定費や損害への算入方法など、個々に判断が必要です。

 

 

2 実際の確定申告をもとに基礎収入を算定する方法

 

① 事故前と事故後の確定申告書を比較する方法

 

まず、交通事故以前と事故後の確定申告を比較することにより、交通事故を契機にした収入の減少を明らかにする方法があります。

この方法は、個人事業主の一番の収入資料である確定申告書を基礎として休業損害を証明しますので、最も基本的な証明方法と説明されています。
もっとも,この方法には以下に述べるように問題も多く、実際には証明が難しいことが多いです。
まず事業所得はさまざまな理由で上下するのが普通です。このため交通事故後に減収があったとしても、これが事故によるものとは限りません。

交通事故と事故後の減収との因果関係が、ほとんどの事案で問題となります。
また、交通事故から症状固定までが複数年度に渡る場合、年度の途中からの休業の場合など、事故前後の比較自体が困難な場合もあります。
その他、交通事故後、被害者が休業を余儀なくされたものの、個人の努力により減収を押さえた場合などは、評価が難しいところです。

 

② 事故前の収入を基礎に一日当たりの基礎収入を計算する方法

 

給与所得者と同様に、交通事故以前の収入(確定申告)額を基礎として1日あたりの収入を計算し、これに休業日数を掛けて、休業損害を計算する方法があります。
この方法は計算方法が明確であり、休業期間を損害に反映できるメリットがあります。
しかし、この計算では休業日数を明らかにする必要がありますが、個人事業主は休業日数を明確に証明する方法が乏しいという問題があります。

また実際に生じた減収額と差が生じるため、休業損害の相当性が問題になります。

 

③ 以上の通り、個人事業主の休業損害の算定では、いずれの方法を採っても交通事故との因果関係や損害額の相当性が問題となります。
このため実際の実務では、上記2つのいずれの方法を採るにせよ、請求額の合理性・相当性を補充する必要があります。
保険会社側と争いになった場合には、確定申告や財務資料などから、休業損害の相当性を具体的に証明することが不可欠となります。

 

 

3 代替労働者を事故後に雇用した場合の人件費

 

個人事業主が他人を雇って自分の代わりに働いてもらうこと(代替労働力の利用)で、交通事故による休業を回避する場合があります。

この場合、必要かつ妥当な金額については休業損害として認められます。
また代替労働力を利用しても、なお減収が発生した場合には、減収部分も休業損害として認められます。もっとも、代替労働力の利用については、相当性が問題となることが多いため、利用に当たっては慎重に判断することが必要です。

 

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