交通事故で高次脳機能障害の後遺障害が残りやすい怪我
交通事故で高次脳機能障害の後遺障害が残りやすいのは、脳挫傷や脳内出血、脳内血腫、びまん性軸索損傷などです。それぞれどのような傷病かご説明します。
●脳挫傷
脳挫傷とは頭に直接強い打撃を受けたことにより、脳が「打撲状態」になることです。頭蓋骨が骨折し、骨折した部分から押し込まれた異物や骨片によって脳組織が裂けてしまいます。
●脳内出血
脳内出血とは脳内の細い血管が破れて出血する症状です。流れ出した血液が固まって血腫ができ、脳を圧迫することによって障害が発生します。
●くも膜下出血
くも膜下出血は、脳の表面を覆っている「くも膜」の下の部分が出血している状態です。くも膜とは、脳を保護している3層の膜の1つです。脳は外側から硬膜、くも膜、軟膜の3つの膜に覆われています。
くも膜下出血と脳内出血はどちらも脳の出血による傷病ですが、出血の部位が異なります。脳内出血は脳の内部の血管が破れますが、くも膜か出血は脳の表面部分の「くも膜」の下から出血します。
●脳内血腫
脳内血腫は、脳内や脳と頭蓋骨の間に血が溜まってしまう状態です。血腫が脳を圧迫して障害します。
●びまん性軸索損傷
びまん性軸索損傷は、脳が強く揺さぶられたことなどにより、脳の神経組織が全体的にダメージを受ける症状です。
脳挫傷などより画像所見を得られにくいことも多く、後遺障害の立証の際には慎重な対応が必要となります。事故直後から継続的にMRI撮影を続けることなどが重要です。
上記のような診断名がついたら高次脳機能障害で後遺障害の認定を受けられる可能性があります。お心当たりのある場合、弁護士までご相談下さい。