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脊柱の後遺障害(脊椎圧迫骨折・腰椎圧迫骨折など)

脊柱は、上から頸椎(C1-7)、胸椎(T1-12)、腰椎(L1-5)、仙椎(S1-5)、尾椎により構成されています。

脊柱は、体を支えると共に(支持機能)、一本の骨ではなく、複数の椎体が可動性を保ちつつ連結していることにより、その運動性も担保されています(運動機能)。

後述のような脊柱の変性が生じると、この支持機能や運動機能が失われることとなります。

 

1 脊柱に関する後遺障害等級

① 変形障害

・脊柱に著しい変形を残すもの 65

・脊柱に中程度の変形を残すもの 8

・脊柱に変形を残すもの 117

② 運動障害

・脊柱に著しい運動障害を残すもの 65

・脊柱に運動障害を残すもの 82

 

2 脊柱の後遺障害等級認定のポイント

① 脊柱の変形をレントゲン等によって証明すること

② 脊柱の変形が交通事故に伴うものであること

 事故態様について

脊柱の変形で最も多いのは、圧迫骨折・破裂骨折に伴うものです。

これらは、脊柱に垂直方向の外力が加わった場合に生じるものです。典型的には、尻餅をついて転倒するような場合が考えられます。交通事故では、自転車に乗っていて転倒した、自動車が横転・一回転した 、というような場合が想定されます。逆に、 自動車に乗って停車中に後ろから追突された、というような事故態様では、通常、圧迫骨折・破裂骨折は生じないと思われます。

④ 圧迫骨折に至る原因が事故前に存在していたか

圧迫骨折は、日常生活において転倒した際などに生じる可能性があり、しかも、症状が強く現れないこともあるため、気付かないこともあります。特に骨が脆くなっているご高齢者にその傾向は強いようです。

圧迫骨折に伴い脊柱が変形すると、変形された状態で骨は癒合することになるため、元通りの長方形に戻るわけではありません。そうすると、どうしても他の部分に比べ脆弱性が認められるため、何らかの外力を受けた際にその部分に痛み等の症状が再発し易くなるのです。

交通事故の際にそうした脆弱な部分に外力が加わることで痛み等の症状が生じ、レントゲンを撮影したところ、初めて脊柱の変形を発見するというケースが存在します。その場合に問題になるのは、その変形が交通事故によって生じた新鮮なものか、それとも昔から存在した陳旧性のものか、という点です。

事故直後のレントゲン画像と、しばらく後のレントゲン画像を比較検討すればよく、骨折部分の圧潰が進んでいるような場合には、それが新鮮な骨折だったと考えられるのに対し、圧潰の進行がなく、形状に変化が認められない場合には、古い陳旧性の骨折で、既に骨は変形した状態で癒合していたと考えられます。

 

3 脊柱変形における労働能力喪失率

脊柱の変形障害があるとしても、それが直ちに労働能力の喪失をもたらすわけではないといわれています。変形があったとしても、目立った症状が出ない場合もあるからです。そのため、仮に11級7号などの後遺障害等級が認定されたとしても、逸失利益の算定において、11級の原則的な労働能力喪失率である20パーセントが認められるとは限りません。脊柱変形の事案においては個別具体的な事情に基づき被害者様の労働能力に影響が生じていることを説明できる必要があります。

 

4 横突起等の骨折

横突起や棘突起は、脊柱の支持機能や運動機能に直接影響する部分ではありませんので、そこだけを骨折したとしても、「脊柱の変形」として等級認定はされません。

ただし、骨癒合は得られたとしても痛み等の神経症状を残した場合には、「局部の神経症状」として14級9号が認定される可能性はあります。また、神経症状としての12級の要件に該当する場合には、その可能性も存在します。

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